言の葉の舟 四海を行く

家族と自然と人の心を愛する心筆家のブログ

「福は内 鬼も内」


私の内には福がある

私の中には鬼もある


福を育てたいと

明日を望み

鬼が悪さをしないよう

今日を過ごす


どちらも

私の中に

生きていて


顔を出したり

引っ込めたり


福がなければ心は砂漠化

鬼がなければ危機感なさすぎ


福だけでも物足りず

鬼だけでも殺伐とする


福の私も鬼の私も

出方を間違わなければ良しとして


季節の分かれ目節分に

軽い音を立てて

自分の中にも豆を撒く

 

 

 

【20230203】

 

「足を上げて」

 

よく積もったな

白い雪

 

屋根も

庭木にも

門までの飛び石の上にも

 

遠くに見るには

綺麗な積雪だが

 

足を取られ

くっつき

冷たさが

染みてくる


歩きにくさを感じながら

いつもより足を上げて歩いてみた

 

ブタクサ言うな

 

状況が悪ければ

行動を変えればいい

 

ブツクサ言うな

 

雪の日だって

ご機嫌の靴をならせ

 

 

 

【20190127】

 

「鎮魂(たましずめ)のカサブランカ」

 

無関心で
無反応で
そう在ることに
徹する意味がある

テレビを遠ざけ
目の前のことに夢中になる
できないことからは
目を逸らす

勝手に
無作為に
見聞きしないことが
今できることなのかもしれない

浮遊させるな
増長させられるな
怒りや不安を
誰かに操られないために

嫌だと
感情より先に
頭の拒否権に従う

今 まさに起こっていることに
信じられないとコメントする
テレビの中の人に

心を奪われたくない

鎮まれ

せめて
私の中で
戦争と平和が戦わないように

カサブランカの香りの中に
魂の静けさを咲かせて

 

 

 

【20220227】

 

「世界の晩餐」

 

ハンバーグをこねる
いつもより丁寧に

まとわりつく脂が
嫌な感じで手にこびりつく


ハンバーグの実像が
気持ち悪さをないものにしてくれる

焼き上がった香ばしい香り
家族の食卓の真ん中に置かれ
空きっ腹を満たす絵が
想像できる

同じ空の向こうで起こっている
市民の恐怖や嘆きや
侵略者と呼び呼ばれた男の考えや
それぞれの守りたいものを

平和や平穏という
望む形に丸めようと思い描く


私の手で出来ることはなく
手にねっとり残る
脂だけがどんどん層を厚くする

今の世界は
誰が作ったハンバーグも
全ての人の欲求を受け入れ
全ての生活を満たすことは
できそうもない

両局にいても
誰もがうまいと言って
食べられるそれを、、、

誰もが喜んで
誰もが譲り合って
食する物を

用意できるのは
一体誰か…
一体何か…
希望は作れるのか…

私は自分の小さな世界に
目を向ける

今夜も
いつもの食卓に
いつもの顔が揃い
日常をいただく

広い世界の中では
無力がぬぐいきれない
ギトギトの脂だらけの
自分の手

それを合わせ
今日をいただく

今のこの目の前のテーブルの上が
私が平和にできる世界なのだから

 

 

 

【20220226】

 

「春隣」

 

年が明け

わずかに春の気配漂い

あの生温かな空気を

安易に予想できる時節に

 

季節は大寒

天の移ろいはまだ暦に沿っていて

 

外は寒中

息は白く凍えて

 

春待ち遠しと空を見上げても

今日は降り頻る雪に視界を奪われ

 

一気に遠くなってしまった春を

背中を丸くして

自分の中だけで広げてみる

 

春隣

首を埋めた

マフラーの中だけが

 

ほんわか暖かく

気持ちだけ

春色の吐息

 

 

 

【20230124】