言の葉の舟 四海を行く

家族と自然と人の心を愛する心筆家のブログ

「カーブミラー越しに見た明日」

 

久しぶりに見上げた夕空

 

カーブミラー越しに映る

 

夕焼け雲と三日月

 

明日もそこに写ればいいのに…

 

そうしたら

 

あなたの心に触れられる

 

そんなことできやしないし

 

それじゃ

 

あなたの明日が

 

消えて行く

 

気持ちを知りたいけれど

 

あなたの明日はあなたのもの

 

カーブミラーに

 

薄紫の今日が沈んでいく

 

あなたを思う

 

私の気持ちだけ写して

 

あなたの笑い顔を映して

 

暮れていく

 

 

 

【20220802】

 

「夏の雪」

 

季節が巡る

この庭で

空を追い

雲に流れて

思いを掴み直す

 

蒸し返す空の中

暑い盛りを気にもせず

涼やかに白く咲く

百日咲く夏の花

 

処暑を越えて

名も知らぬ雲の下で

ふわりと花弁を散らし

夏の雪

 

いずれ

天を衝く青空に秋風渡り

花弁を舞い上げ

遠くの月

 

冷たい季節は

この残る暑さを

また思い出し

雪に重ねる白い花

 

季節は巡る

この庭で

花を追い

風に流れて

思いを掴み返す

 

 

 

【20220823】 二十四節気処暑

 

「ウソの形」


嘘のかけらを不意に飲み込むと

傷つくこともあるけれど


かけらを優しさで集めると

壊れそうなこころの形が

浮かび上がる

 

それが嘘だとわかるより

ウソをついた心情に

痛みが走る

 

誰かを思う偽りや

誰かを安心させる秘密が

 

相手のことを

傷つけたくないという思いと

同時に

 

崩れそうになる

自分の弱さを

受け止めてくれる時がある

 

ウソの形をなぞってみると

伝えたい優しさが

そこにある

 

そして

自分の中に受け止めきれない

痛みのかけらが

そこにある

 

私は

そのウソを信じ

 

あなたのウソが

あなた自身を明日へ羽ばたかせる

羽根のカタチになることを

 

信じてる

 

 

 

【20200620】

 

「心のひだ」

 

歳を重ねると

涙もろくなる

 

自分のものさしで

人を測るのが怖くて

感受性を鈍らせているのに

 

無意識に涙が出て

自分の意志では止められない

 

いつからか

意識的につるつるにしたはずの

心のひだは

裂けて細かくなびいている

 

鐘が左右に揺れ

音を生むように

もの・こと・ひとに触れて

涙を生む

 

仕方ない…

はらはらと流れる涙に

自分を流し

 

今日も明日も

生きてみようか

 

 

 

【20210806】

 

 

「雲の中の富士」

 

そこにあろう 雄々しき山よ

季節を追いかけ衣の色を変え

 

されど

常に雄大さを身にまとう

 

そこにあろう 美しき山よ

四方八方の景色と調和し

 

されど

圧倒的な美を映す

 

そこにあろう 静の山よ

なだらかな裾野はゆるりと空気を流し

 

されど

内なる命の響きは強し

 

雲の中

そこにあろう 富士の山

 

目の前になくとも

今日も心に

そびえ

澄み渡る

 

 

【20200425】