言の葉の舟 四海を行く

家族と自然と人の心を愛する心筆家のブログ

「橋を架ける」

 

桜の花が咲き誇り

新しい生活に

希望の色を散りばめる

 

一人その姿を見送る側は

なんだか遠くのことのように

世界を分けられた気がする

 

勝手に流れる涙を

拭うこともせず

口角だけを少し上げてみる


「でっかい船が浮かんだり、

 飛行機が飛んだり、

 長い橋を架けたり、ほんま信じれんし、

 凄いこととと思うんよ!そう思わん⁈」


昨日私のそばで

そう言っていたのを思い出し

明石大橋に立ち寄る


橋をかけ

向こう岸で花を咲かせ

その先に

夢に向かう橋をまた架けろ

 

自分が行く道

後に残す道

 

 向こう岸

 笑み割れて待つ 遠桜

 洋々と行け

 夢の架け橋

 

 

 

【20210402】

 

「穂並に秋の風」

 

穂並に
涼しい風が渡り


実りの秋に
季節は移り

 

七十二候

禾乃登(こくものすなわちみのる)

 

人の心の機微を感じたくて

息づく自然を近くに感じたくて

言葉を一つ一つ紡ぐ

 

黄金の一粒一粒が豊かに頭を垂れ

収穫されるよう

 

言の葉がつながり

流れる一編をしたためる

 

手に取ると

あの白い米粒のように

かむほどに

味のある芳醇な一編に実るだろうか

稲並 言の葉ならべ

つらなる

秋の朝に

 

 

 

【20220905】

 

「朝の空に、夜の空に、あなたの空に」

 

朝の空に

五線譜引いて

雲の音符を並べてみると


小鳥の声も

リズムとり


足取り軽く

あなたの背中を押すから

上を向いて 鼻歌まじりで

今日を始めよう

 

 

夜の空に

五線譜引いて

星の音符を並べてみたら


ちかちか光りが

優しくて

 

今日のあなたの

肩を撫で

ちょっと疲れたため息も

明日を歌うバラードのよう

 


空に音符を並べ

心の調べを奏でれば

あなたの鼓動と響きあい

 

空があなたで

あなたも空に

 

あなたの空に

五線譜引いて

 

たった短いこの曲を

奏でて

奏でて

終止符まで

 

この

美しき

音の人生を

 

 

 

【20181123】

 

「吾亦紅」

 

ここにいる

見えていますかと

背中に聞く

 


語りかける桔梗のように

しとやかな声を出す勇気もなく

 

可憐に微笑む秋桜のように

距離を縮められるわけでもなく

 

季節にたなびくススキのように

心を揺さぶる風も吹かせない

 

 

過ぎゆく秋に

わずかに赤く萌え

ただ

見ているだけなんて

 

 

われもこう

われもあかなり

ここにいる

 

 

あなたと目の合う

時の風を待つ

 

 

 

【20220903】

 

「さっきまでの私」

 

時計の針が12を追い越す
 

さっきまでの今日が

昨日になって
 

さっきまでの明日が

今日になり
 

日めくりが数字を新しくする

 

けど

私はまったく新しくならないし

さっきまでの私の続き

 

さっきまでの私が
 ひとっ飛びにハードルを超えはしない

 

昨日の続きが今日になって
 さっきまでの私が今の私になる

 

ただ数字を超えただけ

 

だけど

こんなにも今日という響きに

淡い期待を持つのは

 

さっきまでの自分を超えたいから

 

希望と共に生きたいから

 

未来と自分を

 

信じたいから

 

 

希望を刻む針の先

いつも刻(とき)は私の前を行く

 

 

 

【20200919】