言の葉の舟 四海を行く

家族と自然と人の心を愛する心筆家のブログ

「月の顔」

 

赤銅色の満月を

見上げた昨日が

遥か時間の彼方に感じ

 

今朝見た

ほてっとした黄みの満月が

同じものとは思えない

 

見えるものは

私の心が見ているもの

見えているのは

私の見方で映るもの

 

追いかければ

それは熱を帯びた月になり

迎え入れれば

それは静かな朝の月

 

今日出会う人々も

私の心の鏡

月の顔

 

 

【20221109】 20221108皆既月食.天王星

 

「涙の跡の色」

 

涙を流した人たちが

幾人も

通り過ぎて行きました

 

ひと時私の前に立ち止まり

言葉にならない感情の発露を

涙に含んで

静かに流して行った

 

今は

何もなかったかのように

私のそばを離れ

涙の跡までも霞の中に消えていく

 

それでいい

目の前が色鮮やかな景色が

色濃くなっていくごとに

涙の滲んだ下書きや

薄めの消しゴムのあとは

わからなくなるもの

 

それでいい

今朝の錦秋の景色の様に

あなたの笑顔の筆で描くならば

その色を含む

繊維の繊細さが

深い色を放つから

 

涙の跡の色彩は

静かに沈み

今のあなたの景色を

浮き立たせ

 

深みのある色が

息をし始める

 

 

 

【20221103】

 

「オレンジ色の栞」

 

光の束が

西に傾いた夕陽から届く

 

教室も

向かい合った顔にも

机に広げられた

教科書のページの間にも

 

オレンジの瑞々しい粒のような

光が行き渡る

 

明るく照らされた友達の顔を

互いに見ながら

誰からともなく

廊下へ

 

この空気を生む方に向き

遠くを見ると

さらにオレンジ色は厚く

笑顔は深くなる

 

夕焼けに並んだ

子ども以上 大人未満のシルエットは

危うさや迷いを光に溶かし

なんだか

クッキリと強く大きく見えた

 

並んだ笑顔が

声を揃えたこの時間が

過ぎた時間の中の

美しい1コマで

 

ふと思い返した時

背中を押してくれる

1ページになればよい

 

未来を始める

オレンジ色の栞を

心に挟んで

 

 

 

【20211222】

 

「眼差しは美しき光のように」

 

光が美しい秋は

目に映る景色も

それをおさめた写真も

美しい

 

私たちの眼差しはどうだろう

人が成長する時に飛び散る

金色の花粉のような

小さな兆しや

 

実を結ぶまでの

美しい過程を

 

見届ける眼(まなこ)と

ありのままを照らす眼差しで

視線を注いでいるだろうか

 

秋の光は美しい

私たちの眼差しもそうでありたい

 

世界の美しさを

人の美しさを

もっと もっと 知るために

 

 

 

【20221029】