2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧
愛されたことを覚えてて欲しい 眠りにつくまで 撫でたこと 抱き抱えて 背中をトントンしたこと 上瞼が もう我慢できないくらいに 重たくなって 全身の重みが こちらによりかかり その姿を見る私が どんなに幸せだったか… 小さな寝息と共に あなたに愛が沈殿…
目の前で 呼吸している命に 何の違いがありますか? 声をかけると 瞳が動き 微動する空気の振動だけで 世界が息づいていると感じられる その存在に 何の違いがあるのでしょう 大人が 大きく動けば 大きく話せば 微動は雑音に霞んで消える 今日も 静かに 静か…
光の粒に洗われて より色鮮やかな百日紅 土の熱さに照らされて 一筋揺れる蜘蛛の糸 青天を味方に 際立ちて夏 七十二候 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)を 迎える 【20220728】
広々としたスーパーの駐車場 空が大きく見える場所に車を止める サイドブレーキを荒々しくかけ ハンドルに顔をうずめる うまく伝えられなかったあの言葉や 思い通りに表現できなかった想いの燃えカスが 体の疲れに覆いかぶさり 夕暮れの空気はいつもより重い…
夕方のスーパー ぐずる我が子にイライラして なだめたり すかしたり それも長くは続けられるわけもなく 堰を切ったように 言葉が出ちゃう もうママは知りません もう置いて帰ります ママーー ママーーー と泣き叫ぶ声が どんどん大きく響いて 困惑とやるせな…
たいした悩みは無い 躓くことも立ち上がることも 案外平気 ただこの道の先に 心震える景色があるか 見定めたくなる 詩人 永瀬清子の生家を訪れた ひんやりとした釜屋では 薪をくめ 水をくみ 木綿の擦れる 古き生活の音を想像する 心の温度が波長を合わせて静…
あぜ道を散歩する すれ違いざま 耳の不自由なお母さんへの心無い声 聞こえるはずがないのに うつむく小さなあなたの手は 強く握られた母の手に 守られた 美容の道 五十年 ひたすら行く 手に職が宿り 人生をつくった 鏡に映る目の前の人の人生を癒し 華やぎを…
清々しく 迷いもためらいもなく すっくと立つ竹の青さ 堂々と力強く残る 成長の刻印 どんな出会いも出来事も 善し悪しの眼鏡でみればモノクロ写真 目の前の景色を美しい目で見渡せば 限りなく深く燃ゆる緑のきらめき 心躍る喜びは しなやかさを味方につけ 苦…
白白と明けるころ 目が覚めて 縁側の朝戸風に 梅を干す 夫と挨拶し合い また微睡む 日差しが入り 起き上がり 昨夜の残り物で 一食目を済ませ のろのろと洗濯を外に出す 日盛り ごろごろとまた夢に浸り よく寝るなと 目線の高さが同じあなた 風に吹かれて 光…
ギラギラおてんとさんに さんさんひかりを分けてもらった ピッカピカの夏野菜を タラタラ汗のあなたが収穫 ザッブザブ洗って フライパンに放り込めば 相性のよい油が パチパチと拍手で迎えてくれる シャカシャカ混ぜた甘酢に ダイブさせたら さっぱり味がし…
白と 一口に言っても 百通りを超える いろいろ想像できるはず なのに 夫婦って関係は わかっているようで 貧相な想像力でわかっちゃいない 笑いが出る ある日の会話 「白い器で統一したいね」 いいね 二つ返事で同意 「必要ないもの棚から出そうか」 いいね …
自分は何ができるんだろ自分はどこへ行きたいんだろう とても長い時間迷子になっていると思ってた 自分探しで迷子になってると思ってた 一本道を歩いているのに 自分は探さなくて いいよ追いかけっこも やめにしよ 私は 自分の布石を 確認したい ただの 弱虫…
ぽつぽつ 雨が降っています お天気も 晴れがあって 曇りがあって 雨がある 私たちの人生にだって 晴れの日もあれば 曇りの日もあって 当然 雨の日もある 晴れの日なんて、なかった、、 なんて思っても それは 当たり前すぎて 気づかなかっただけ そして 雨の…
へその緒が 切れたあの日から 私たち 親子になったんだね ゴールテープを切るように 始まったんだよ 二人三脚 腕を組んで 倒れそうになる足元を 気遣いながら 急カーブでは 歩調を合わせ 周りを行く親子に 焦ったり 笑いあったり 助けたり 助けられたり そし…
土が変わり 場所が変わり 根を張る広さと 光の具合が違えば まだまだ 咲けるのかもしれない 咲かせたい 咲きたい 自分の足元から 力を吸い上げ 咲け 【20210708】
青空に立ち上る 真っ白な雲の峰 金色の太陽を受け 熱く咲く黄色の向日葵 鮮やかに緑で 思い出した様に吹く風に 流れを合わせる稲の群れ 笑顔と同じ スイカ色 玉のように流れる汗を滑らす 小麦色に焼けた肌 絵日記に残したような 夏の色彩が 事実であったか …
歳を重ねて 女優になる 空覚えの穏やかな言葉を 一つ一つ並べ 慈しみの視線を はるか遠くに向ける バラードを歌うように大きくゆっくりと 優雅な仕草でふるまう 素の私では叶わないけれど 何もかも台本通りに 他人にも自分にも吐き捨てた とがった言葉は 忘…
潤沢に 溢れてきやしないのに 枯渇する恐怖を感じている なんと 傲慢な私 湧き出る言の葉は 水のように循環するのに 【20220410】
眠れない そんな夜には 詩を書こう 布団の上で眠気がやってくるのを 待つ時間は 悶々と時間ばかり過ぎているようで ほんとうは全く経っていない 時間の呪縛 どんな話を書こうかなどと 考えることはない ただ ノートと万年筆で 出てくるインクの好き勝手に ペ…
手を動かす 暑い日も寒い日も 白い布の上を 尖った先を縫い目の角に向けて よれもなく ついた皺を伸ばす 生活に根差した家電はいくつもあり なくてはならないものだけど 大型家電は なんだか住居の一部のような気がする 極々身近なアイロンは 私の手の延長 …
うちの子は そろそろ気づいてる? お母さんは魔法使いだってこと できないと思っていることに ちちんぷい 諦めかけちゃってることに ちちんぷいぷい あふれ出た涙にも ちちんぷいのぷいっ 魔法の言葉を かければ 見える世界が変わって そしたら 不思議と目の…
かささぎの翼が運ぶ 織姫と彦星の想いが届ける 伝説が言い伝わり 天の川にロマンを渡す 人の心が美しくつながり 七夕の物語を紡ぐ 誰の願いも チャンスの翼で羽ばたき 想いを深く結ぶ 誰かと以心伝心 思いがけない渡し舟に乗り 純粋さの灯台が照らす道は絶え…
まだ薄青い天空を 霞のような三日月がゆく 太陽が山肌に触れる鐘の合図で 黄金色の波が放たれ しばらく眩しさが時を支配する その光の弧が遠くで一点になると 辺りはまた静かな色が頭上に渉る まだぼんやりと漕ぎ続ける小舟は 緩やかな波に運ばれる やがて白…
目の前の景色は 一瞬で 私の夏になった 圧倒的な存在感 阿蘇 古の地球の躍動 阿蘇 緩やかに連なる緑の曲線と 所どころ鋭く走る稜線は 雲のベールでより神秘的に 空は 荘厳な大地の生き様に ひれ伏すように山々を覆う ぐるりと360度見渡す私の中に 大地と空が…
言葉を並べるこの営みが 自分を充足するものでなく 誰かの 押し殺した聲の形を 誰かの 浮遊してしまった心の糸屑を 無きものとせず その人のかけがえのない 一部だと 光になる 営みでありたい 一つでも 一つでも 結びつき 言葉よ あなたの光と 一つになれ 【…
膝がね 痛くなって 歩けなくなって 突然街の階段に座り込んで 病院に行ったらね 症状聞かれて 検査して 治療して 車いすや松葉づえのお世話になってね 誰かの助けをかりて 優しい声をかけてもらって もっと優しさを求めて 痛い 痛いと ずっと撫でてる私がい…
ここの愛犬 心白です家の人が行っては帰る玄関近くの柵の中この場所がお気に入り にいさんはイヤホンつけてリュックを背負って唯一私に声をかけずに静かに行く人でした今は年に十日くらい顔を見ます 私をサンタクロースとか言うおじさんにお願いしたちっさい…