2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧
何でも 自分の中に取り込もうとする 手に入れて 大きくなった気がするけど 到底 収まりきらない 果てしなく偉大なものに 圧倒された時 本当に 大きくなれるのだと思う 【20220930】
実が色づき始めると 葉が落ちる 自然の愛情の 深さと潔さを知る 【20200930】
美しい涙を見た この南の島の 海の青に似た澄んだ涙 哀しみ憂い懐かしさ 海は人々の流した涙が とうとうと満ちたのかもしれない だからこんなに美しく 地球を包む 美しい涙を浮かべた この南の島の 空の青を湛えて澄んだ瞳 優しさ 抱擁 思い出 空は人々が映…
家の窓から わずかに色づく庭を見る 庭に出て 色づいた木々の窓から 門を叩く色のない風を見る 寂しさや侘しさが 木々の色づきを引き立て 縁側で 季節がいそいそと 移ろい行くのを愉しむ 自然に向かう 私の窓を開け 今朝も 風を呼び込む 【20220912】
昨日まで なかった花が 庭に咲く 驚きと なんとも言えない喜びで 声が出る 弾む自分の空気が おさまるにつれて 今度は疑問が その空気を膨らませる 昨日も 見ていたはずなのに 見落としていたのか その兆しにも 気づかなかったのか 子どもの成長も それと同…
庭の草木 秋の魔法で 虫食い葉 レースみたいに 光の刺繍 茶色く縁取り 美しく織られて はらはら落ちて 魔法の絨毯 冬支度の ちちんぷいぷい 【20190930】
もしも あなたを 傷つけているなら 同じように 私自身も傷つけて 傷ついてるから こんなにも 心が痛む 自分を癒すための 私のための あなたへの優しさじゃ ダメなのかなぁ 【20220911】
日曜日の夕暮れ 廊下の奥まで届くオレンジ色の光 笑い声をのせて 靴を磨きながらの親子の睦ましい時間 父と娘の日常は こんな風景ばかりじゃない 言い争いも 冷戦も 父の雷も 娘の涙も 反抗も 目まぐるしい それでも父の存在は 空のように 娘の遠景にある 朝…
茹だるような暑さを 思い出すこともできないくらいに この金色の風に 撫でられて 朝に白露が輝く 夕に空を見上げると ちょうど中秋に 満ちる月 あと僅かな膨らみを 少しずつ空に集めて 満月になる 白露が その足りない場所に 舞い上がり あと二日重なり 空の…
桜の花が咲き誇り 新しい生活に 希望の色を散りばめる 一人その姿を見送る側は なんだか遠くのことのように 世界を分けられた気がする 勝手に流れる涙を 拭うこともせず 口角だけを少し上げてみる 「でっかい船が浮かんだり、 飛行機が飛んだり、 長い橋を架…
穂並に涼しい風が渡り 実りの秋に季節は移り 七十二候 禾乃登(こくものすなわちみのる) 人の心の機微を感じたくて 息づく自然を近くに感じたくて 言葉を一つ一つ紡ぐ 黄金の一粒一粒が豊かに頭を垂れ 収穫されるよう 言の葉がつながり 流れる一編をしたた…
おせんべいを半分こ クッキーも半分こ 空の月は 誰と半分こ? 地球と空と半分こ 【20210915】
朝の空に 五線譜引いて 雲の音符を並べてみると 小鳥の声も リズムとり 足取り軽く あなたの背中を押すから 上を向いて 鼻歌まじりで 今日を始めよう 夜の空に 五線譜引いて 星の音符を並べてみたら ちかちか光りが 優しくて 今日のあなたの 肩を撫で ちょっ…
ここにいる 見えていますかと 背中に聞く 語りかける桔梗のように しとやかな声を出す勇気もなく 可憐に微笑む秋桜のように 距離を縮められるわけでもなく 季節にたなびくススキのように 心を揺さぶる風も吹かせない 過ぎゆく秋に わずかに赤く萌え 頬を赤く…
時計の針が12を追い越す さっきまでの今日が 昨日になって さっきまでの明日が 今日になり 日めくりが数字を新しくする けど 私はまったく新しくならないし さっきまでの私の続き さっきまでの私が ひとっ飛びにハードルを超えはしない 昨日の続きが今日に…
許してあげようよ あの怒りも 許してあげようよ あの涙も そして 許してあげようよ そうできなかった わたし自身も 【20210818】