2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧
近くにいて 遠くに思い 遠くにいて 近くに思う それは 子離れの予行演習 それは 親離れの実践演習 それは 親子の絆を結ぶ しあわせの練習 【20221030】
光が美しい秋は 目に映る景色も それをおさめた写真も 美しい 私たちの眼差しはどうだろう 人が成長する時に飛び散る 金色の花粉のような 小さな兆しや 実を結ぶまでの 美しい過程を 見届ける眼(まなこ)と ありのままを照らす眼差しで 視線を注いでいるだ…
まだ開けきらない 夜の朝 西の空は光の兆しが現れ 東の空は薄暗さが残る 光が墨色を薄め 墨色に光がにじむ そうやって 目に見える宙(そら)は 私の立っている前を繰り返す そして 人も物も夢も感情も そうやって 私の前を繰り返す 今の私は ここに立って ど…
生きる意味を 探さなくていい 輝く方法を 求めなくていい 選んで生まれたとか どうにもならない十字架を 自ら背負わなくていい ただ命が始まり 迎えられ ただ今を生き 惜しまれて終わる 哀しきは 迎えられ 惜しまれる 実感が持てないことだけ 言葉が足りない…
街の音がない 朝の時間 いってらっしゃいの言葉で送り 空を見上げる 明け出る 光の兆し 裏山の巣から 囀りの響き どこからか漂う わずかな金木犀の残り香 見えないけれど そこにある新月 見えない物から発する 透き通る気配が 攪拌されている私の中の 濁った…
「来れる?」 「り」(了解) いつもの時間のいつのも文字 鞄をもって 急ぎ足 オレンジ色の光のしずくを 黒と紺の重なる空に ぽつんと落としそうな三日月の先っぽに ちょっとの間 娘をよろしくと、小さな願掛け エンジン音の上で 前のめりになる私の横を 左…
自分のために生きるって 自分のために走るって 自分のために歌うって 自分のために涙するって いいね いいね いいね それも いいね 【20221014】
誰かのために生きるって 誰かのために走るって 誰かのために歌うって 誰かのために涙するって いいね いいね いいね いいもんだね 【20221013】
私は野の草だった 花を咲かせるのかも 咲かせないのかも わからない ただ 咲きたいと思う 野の草だった なんの花でもよかった 咲きたいと願った ある日 一人の詩人が 私を 詩の花壇に植え替えた そこは言葉の土壌がふかふかで 雨や雷さえも心地よい 燦々と …
意味も無く流れる涙も 癒えた傷が痛むのも 笑いながらふと寂しくなるのも 私には必要だ 私は 人の心に触れていたい そこから紡ぐ 細い絹糸の様な言の葉で 光沢のある布を織る 詩人でありたいから 【20221009】
眠りに落ちる その瞬間を包む 肌布団ピンク 毎夜毎夜包まれて 端が擦り切れて 取り替えた ブルーの肌布団も 呼び名はピンク 暗闇に吸い込まれるような まどろみの時間が 幼な子には 少し緊張の時 怖さや心細さを 和らげてくれたピンク 大人になれば そんな小…
一雨ごとに 秋が深まり 一度気温が下がり 冬が近づく 一笑一度 ひと笑いするごとに 笑みが咲いて 幸せに一度傾き 一涙一度 ひとつ涙を流すごとに 強く優しくなって 希望の扉が一度開く 季節が 時を重ねて 変化するように 私たちも 時を重ねて 転化する 一つ…
傍から見て もったいないと思うほどのものを 手放した友人がいたら 残念に思わずに おめでとうと言おう きっと 何よりも守りたい 大切なものを 手に入れた証だから 【20221004】
空は果て無く遠く 風に煽られ 足元を引きずり 行き当たりばったりのこの一歩 見上げれば 悠々と留まる屋根の上 無い物ねだりの 薄っぺらな憂鬱を 一時 風見鶏に預けて また一歩 空に近く 風を読む 広く見渡し 指し示す ただ 飛んでは行けぬ 風見鶏 気づけ旅…
どこにいても 私は私 髪をとき 仕事をし 食事を作り 空を見上げ 花を覗き 言葉を並べる 語り笑い どこにいても私は私 それは 私の真ん中が いつも この庭にあるから ここがあるから どこにいても 私は私で在る 【20221003】
先生 教えてくださいな 夏が過ぎ 秋になり ツルの巻き方や 実りの遺伝子も 全部全部伝えただろうに さらに花をつけ ツルを巻き 先へ先へと進んでいく 根元に咲いた花は萎れ 土に近く巻いたツルは乾き それでも 更に伸びるのは 何故ですか? 【20221002】
天 感じるもの 人 慮るもの 命 愛するもの 手に触れることができないものは 心が 下支えする 【20221002】
花を嗅ぎ 草を踏み 樹に登れ 鳥と歌い 欲望の翼を広げ 夢を啄め 風を切り 雨に涙し 水たまりにはまれ 月の満ち欠けにとらわれず 自分の足跡を星座に結び 夜を恐れず行け 赴くままに 自らが 然り 行く時 己以外の 力の大きさと 愛の深さと 希望の温かさの 傘…