2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧
希望だけの明日だけじゃない明日なんて来なけりゃいいのに…と それでも太陽が昇るように川が流れるように明日はやってくる 気休めでもいい目を閉じて心を閉じて 騒つく映像を消して 明日の明日を見つめよう 【20221128】
夜明け 藍色の夜の濃さが 光に薄まっていく 数分間で変化する 空の色 色を重ね変化することは ある意味 難しくはない 色を薄めながら 光に近づいていく この時間は 計り知れない力が 空を押し上げ 朝の色を散りばめる 夜明け前の変化に 追いつきたい私がいる…
水鞠が 跳ねて乱れて 集まりて 錦の鏡 妹背の秋に 日々弾け 納まりてまた 動き出す 休息の午後 妹背の滝で 【20221123】
雲の上に 白く盛られた 富士の頂 水平に広げられた 薄雲を従え 氷河のような 厚雲に守られて 空とも海ともわからない 青にぽっかり浮かぶ 稜線が白く浮き上がり 険しさを流し サラ砂をゆっくりと降らしたような 細やかな白肌 そこには どう行けばよいですか…
死にたいと 生きている意味がわからないと 私は 烈火の如く怒る 鬼にもなれず 全てを受け入れる 仏にもなれず 呆然とする ただの人でしかなかった 突き動かす 北風にもなれず 全てを包み込む 太陽にもなれず 動けないでいる ただの人でしかなかった 生きてい…
昨夜見た 空の悲しみは 私の悲しみなのか ならば 私の中にも あの星たちのように 煌めくカケラが あるのだろうか 夜が泣き 星が溢れ 私が泣き 涙が流れる 悲しみの空には 夜のしじまで冷たく凍り 頬の雫と 空の雫と 見分けがつかず 瞬く 【20221118】
新月前の細い月 明けの三日月有明の月 雲に溶けて明かりに溶けて見えなくなる前の ほんのわずかな 夢の続き 始まりの 船の先が かすかな道標 心に錨を沈めて 小さな決意 【20221120】
結果を求めすぎて それもプラスの結果を求めすぎて 私たちは動けなくなったり 本来の姿を見失ったりする そんな自分の状況さえも わからなくなるほど 迷走している時間が長くなると うまくいかないことは 伝染する様に大きくなって行く 点と点と点が ずっと…
月とオリオン座と 見えない無数の星が 夜を渡る 希望と淡い展望と 得体のわからない不安が 私を前へと進める 明ける前の 濃い暗さから遠ざかりたくて 少しでも早くと気持ちがせいて つんのめって 慌てた私の足が ようやく歩幅を整える 宙をいく天体は 急ぎも…
赤銅色の満月を 見上げた昨日が 遥か時間の彼方に感じ 今朝見た ほてっとした黄みの満月が 同じものとは思えない 見えるものは 私の心が見ているもの 見えているのは 私の見方で映るもの 追いかければ それは熱を帯びた月になり 迎え入れれば それは静かな朝…
頂いた ころ柿 日和の 縁側に 吊した 夕陽色 眩しく 並んで 隣人の 丁寧な 仕事が 繋がる 渋さを 和らげ 甘さを 染ませ 五感で 味わい 喜びで 満ちる ころ柿 食べ頃 こころ 楽しむ 【20221106】
いろいろあるよね いろいろあるさ それでいいんよ いいんよそれで 心と身体を 重苦しく縛っていた鎖が切れたなら 軽やかに行こう 【20221105】
涙を流した人たちが 幾人も 通り過ぎて行きました ひと時私の前に立ち止まり 言葉にならない感情の発露を 涙に含んで 静かに流して行った 今は 何もなかったかのように 私のそばを離れ 涙の跡までも霞の中に消えていく それでいい 目の前が色鮮やかな景色が …
光の束が 西に傾いた夕陽から届く 教室も 向かい合った顔にも 机に広げられた 教科書のページの間にも オレンジの瑞々しい粒のような 光が行き渡る 明るく照らされた友達の顔を 互いに見ながら 誰からともなく 廊下へ この空気を生む方に向き 遠くを見ると …