言の葉の舟 四海を行く

家族と自然と人の心を愛する心筆家のブログ詩集

『月の姿』

「夏の輪郭」

旅先の 朝ゆく雲に 時間とあかねが 緩く混ざる 風ゆく波に 思い出と青さが 穏やかに重なる 心許せる 友とのひととき 夜明けが 夏の輪郭を 色づけていく 【20230809】

「朝行く月から」

夏の朝 西に行く月 青空に音叉のような優しい音を残して こちらにも届きましたよ 頂きましたよ そして 私をすり抜けて 共鳴して同じ波に揺蕩う人々の朝にも 柔らかく伝え伝え空気を揺らす 一人から仲間へそして外へ 朝行く月は広く行く 【20230804】 ランキ…

「小さい人」

私たち大人は なんて浅はかなんだろう 小人(こども)はそれを知っていて 無理難題や謎かけを仕掛けてくる 小人(こども)はその小さな体に宇宙を持ち 私たち大人はその宇宙に戸惑う どんなに優秀なロケットに 乗り込んでも その空間は 遠く大人には息苦しい…

「なくならない」

0歳 永遠の命を無くした 8歳 父を亡くした 18 歳 夢を無くした 28 歳 私を忘れた 38 歳 私らしさを失った 48 歳 自信を無くした まだまだ無くしたものは わずか 58 歳 思い描く未来を無くすかも 68 歳 自由を無くすかも 78 歳 してあげたい気持ちを無くすか…

「月のように」

時と宇宙の流れに抱かれて 変化しながら巡りゆく 他の輝きを受けながら 振り向く誰かの瞳に潔さを映す 暗い夜には月明かり 朝の青には暁の月 この月のように在りたいと この歳も憧れと共にめくる暦 充もの 欠けて行くものを重ねて 永遠の輝きの雫を心の手の…