『終着駅』
若者の 成功体験は 自信につながる 失敗体験は 自分を支える 若者よ 自らを信じる前に 自らを分かろう そして大人たちよ どちらの体験も 目の前の若者の輝きであることに 心が騒ぐ喜びを 忘れてはいけない 【20230702】
二つの鏡を持つ 一つは今を見る鏡 一つは未来を見る鏡 今を見る鏡は 曇らせてはいけない しっかり自分の今を見つめ 誤魔化すことなく 自らの語りに頷く そして 未来を見つめる鏡は 自分の顔の横に立てる 何がうつっているかはわからないが 鏡を磨き上げ 明日…
どこからか ピアノの調べ 家を出るまでの 慌ただしさが 嘘のように静まる 心ごと傾けると 鳥の声も鮮やかに聞こえ 水の流れも際立って聞こえる 誰かに聴かせるためでもなく その人にとっては 朝の日課の一つに過ぎない 気づかずに通り過ぎる 流れる音や色 受…
悲しい… わけじゃない 寂しい… わけじゃない ただ こうして あなたを想う時間の中に いたいだけ 【20200220】
生きた分だけ 悲しみは深くなる 生きた分だけ 喜びは多くなる それは 私が一人ではないということ 別れへの恐れや不安も また同じ あなたの涙の訳は 「ひとりじやなかった」という証 【20220306】
0歳 永遠の命を無くした 8歳 父を亡くした 18 歳 夢を無くした 28 歳 私を忘れた 38 歳 私らしさを失った 48 歳 自信を無くした まだまだ無くしたものは わずか 58 歳 思い描く未来を無くすかも 68 歳 自由を無くすかも 78 歳 してあげたい気持ちを無くすか…
希望だけの明日だけじゃない明日なんて来なけりゃいいのに…と それでも太陽が昇るように川が流れるように明日はやってくる 気休めでもいい目を閉じて心を閉じて 騒つく映像を消して 明日の明日を見つめよう 【20221128】
悩みを背負ったまま出ていった子が 低くただいまと帰ってくる 野菜を切る手を止めて おかえりと返すと ト ト ト と 階段の鳴る音 その音で まだ心が晴れないことが すぐわかる 母だから 鍋の蓋がカタカタ 私の何もできない 無力さが鳴る 母だけど 野菜をまた…
ドアのかぎ でことぼこで とびらがひらくよ あたらしいことに きょうも であえる コンセント でことぼこで でんきがながれて むずかしいことが かんたんに できちゃう ビンのふた でことぼこで ふたをしめちゃえ におうものを とじこめられるよ わたしのでこ…
外海に漕ぎ出して行く子どもたち 心配ないよ 私はこうしてあなたたちの帰る目印になるから そして もっと遠く 広い 海原に出て行くときは 自分の中に防波堤と灯台を持って 自分とあなたたちが大切にしたい誰かの目印になってね そうして あなたが私という目…