言の葉の舟 四海を行く

家族と自然と人の心を愛する心筆家のブログ

「福は内 鬼も内」

私の内には福がある 私の中には鬼もある 福を育てたいと 明日を望み 鬼が悪さをしないよう 今日を過ごす どちらも 私の中に 生きていて 顔を出したり 引っ込めたり 福がなければ心は砂漠化 鬼がなければ危機感なさすぎ 福だけでも物足りず 鬼だけでも殺伐と…

「足を上げて」

よく積もったな 白い雪 屋根も 庭木にも 門までの飛び石の上にも 遠くに見るには 綺麗な積雪だが 足を取られ くっつき 冷たさが 染みてくる 歩きにくさを感じながら いつもより足を上げて歩いてみた ブタクサ言うな 状況が悪ければ 行動を変えればいい ブツ…

「光の花」

雪のように儚く 溶けて無くなる命も 泥の中 身動きできず 立ちすくむ命も 美しく懸命に咲く 自分を責めないで 誰も恨まないで 真っ白い光と共に 生まれてきたのだから 【20230125】

「春隣」

年が明け わずかに春の気配漂い あの生温かな空気を 安易に予想できる時節に 季節は大寒 天の移ろいはまだ暦に沿っていて 外は寒中 息は白く凍えて 春待ち遠しと空を見上げても 今日は降り頻る雪に視界を奪われ 一気に遠くなってしまった春を 背中を丸くして…

「は・ず・み」

木の枝がとん と揺れて小鳥が弾んだ もうすぐ春だと木の枝は感づく 私の肩にとん と触れて見えない誰かが合図する そうか今か と私は信じて 小鳥の真似をしてみる とん と小さく 跳ねてみる どん と地面からの衝撃で 体の小さなとこまで弾けた力が行き渡り …

「月のように」

時と宇宙の流れに抱かれて 変化しながら巡りゆく 他の輝きを受けながら 振り向く誰かの瞳に潔さを映す 暗い夜には月明かり 朝の青には暁の月 この月のように在りたいと この歳も憧れと共にめくる暦 充もの 欠けて行くものを重ねて 永遠の輝きの雫を心の手の…

「一年が行く」

桜が咲き 春が燃え 緑が踊り 風がそよぐ 夏は梅雨明けを告げ 陽が燦々と 熱を持ち 陽炎を揺らす 風が月を磨き 錦は色づきを伝え 実りは忘れずにやってきて 豊穣の大地を潤す 雪は積もり 寒さに肩寄せ 人の季節は一巡り 吐息交じりで一年一巡り 別れも悲しみ…

「聖夜の呼吸」

私は生きている小さな営みだけど 生きている 暗い夜のしじまに凍えながら小さく息をはいて 誰にも知られず呼吸する 思い描いたように道が続いていかなくても 抱えきれない寂しさが私を取り込んでしまっても 虚しさが血流と一緒に私の中を巡っても しあわせが…

「鳴き雪の気配」

動かない何も動かない乱れない 澄み渡る天ときめ細やかな雲の平原雪のよう 飛行機からの景色は半分白で半分青どこまでも白く遠い空の大地は 枝一本も落ちておらず獣の足跡一つ見えない遠くに想像してみた枯れ木の大木もすぐにかき消される あなたはどこまで…

「春より早く」

春に命を繋ぐ 冬籠りの季節に 二度と目覚めない 連れ合いを見送る背中 別れは突然で さよならもありがとうも 天に立ち昇る 煙に追いつかず ぽっかり空いた寂しさを 何で埋めればいいかもわからず 涙が雪に変わり 白く降り積もる 春はまだまだ遠いけど もう …

「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」

冬ざれ 寒さに縮こまる だけどその寒さの中でしか見れない景色がある 心が寒々と風に吹かれても その時にしか聞こえない 心音(こころね)がある 寒空に立ち 凍えそうになっても 勇気のボタンを締め 希望の襟を立て 瞳の中に 輝きを閉じ込める 見たい景色と …

「母のコート」

木枯らしの足音が 聞こえる季節 いつも手に取る古いコート 父が母に残した冬の思い出 時代の匂いや 苦労が染みついた繊維 陰陽の日々が語る色の抜けた黒 それでも手触りは滑らかで 初めて手にした母の喜びは 内ポケットの中に潜んでいるみたい 柔らかい生地…

「塗香の羽衣」

気高い祈り 叶わないかも 届かないかも それでも あなたのために 誰かのために 今 心を添えて 今 手を合わす できる私も できない私も いるけれど 捉われの縄をほどき 塗香の香りに 包まれて 天女の羽衣を纏い 祈りの雲に乗り 心のままに思いのままに 【2022…