2022-08-03 「柿の木の日常」 ブログ詩集 『縁が和家の庭で』 夏 詩 一歩も動かない柿の木に 苔がむす 緑の模様を自由にまとわせ 木肌の割れ目の小さな蟻には 仕事場を与え 蜘蛛には 枝から枝へと間借りさせ 日陰を作った下草には 蝉の抜け殻 静かに眠らせる いろんな命に触れて いろんな命を支えて 黙って 黙って そこに立つ 柿の木の日常は 豊かに過ぎる 【20210803】