都大路を外れた古寺
古の人の息遣い
庭の木々を
鏡のような
手入れの行き届いた
長い廊下に映し
輝くばかりの 緑を浸ませ
空と雲の上に 緑を載せる
衣擦れの音が
板間に佇み
細い会話が
畳に織られる
世情が違い
手に取るものは
かけ離れているはずなのに
求めるものの芯は
変わらず
平穏と静けさ
そして
大切なものが受け継がれていくこと
雑多な日々を
都大路の賑わいとすれば
望む場所は古寺
懐かしいところに 帰り
こころ座る
【20201004】