死にたいと
生きている意味がわからないと
私は
烈火の如く怒る 鬼にもなれず
全てを受け入れる 仏にもなれず
呆然とする
ただの人でしかなかった
突き動かす 北風にもなれず
全てを包み込む 太陽にもなれず
動けないでいる
ただの人でしかなかった
生きていて
明日も明後日も帰ってきて
命を繋ぎ止める
頭の中の言葉をかき集めたけど
届くかどうかわからないくらい細く
つぶやくしかできないただの人
あなたの生きる意味を示せるわけでもなく
「私の生きる意味であって」と
薄っぺらい言葉を
あなたと私の間に置いた
「生きてみないと、
その意味はわからないね」と
大人になったあなたから返ってきた言葉
15歳と
無力な母の
危ういあの夜を思い出し
やっと流せた涙は
意味などにすがらなくても
ただ
曇る命に
息を吹きかけ 磨き続ければ
よいと
今 道標となる
【20220901】