詩集「言の葉の舟」

家族と自然と人の心を愛する心筆家のブログ詩集

「十五歳 生きる意味」

 

死にたいと

生きている意味がわからないと

 

私は

烈火の如く怒る 鬼にもなれず

全てを受け入れる 仏にもなれず

 

呆然とする

ただの人でしかなかった

 

突き動かす 北風にもなれず

全てを包み込む 太陽にもなれず

 

動けないでいる

ただの人でしかなかった

 

生きていて

明日も明後日も帰ってきて

 

命を繋ぎ止める

頭の中の言葉をかき集めたけど

 

届くかどうかわからないくらい細く

つぶやくしかできないただの人

 

あなたの生きる意味を示せるわけでもなく

「私の生きる意味であって」と

 

薄っぺらい言葉を

あなたと私の間に置いた

 

 

「生きてみないと、

    その意味はわからないね」と

大人になったあなたから返ってきた言葉

 

15歳と

無力な母の

危ういあの夜を思い出し

やっと流せた涙は

 

意味などにすがらなくても

ただ 

曇る命に

息を吹きかけ 磨き続ければ

よいと

 

今 道標となる

 

 

 

【20220901】