詩集「言の葉の舟」

家族と自然と人の心を愛する心筆家のブログ詩集

「一年が行く」

 

桜が咲き

春が燃え

緑が踊り

風がそよぐ

 

夏は梅雨明けを告げ

陽が燦々と

熱を持ち

陽炎を揺らす

 

風が月を磨き

錦は色づきを伝え

実りは忘れずにやってきて

豊穣の大地を潤す

 

雪は積もり

寒さに肩寄せ

人の季節は一巡り

吐息交じりで一年一巡り

 

別れも悲しみも

楽しさや希望と

混ざり合い

 

いつか同じ私の中の

巡りとなり

何とも誰とも

区別なく

巡り還る

 

季節も人も時も巡り

この終わりの時が

はじまりの時で

行く年くる年

 

また巡りくる一日を

生ききる年とする

 

 

 

【20221231】