詩集「言の葉の舟」

家族と自然と人の心を愛する心筆家のブログ詩集

「春隣」

 

年が明け

わずかに春の気配漂い

あの生温かな空気を

安易に予想できる時節に

 

季節は大寒

天の移ろいはまだ暦に沿っていて

 

外は寒中

息は白く凍えて

 

春待ち遠しと空を見上げても

今日は降り頻る雪に視界を奪われ

 

一気に遠くなってしまった春を

背中を丸くして

自分の中だけで広げてみる

 

春隣

首を埋めた

マフラーの中だけが

 

ほんわか暖かく

気持ちだけ

春色の吐息

 

 

 

【20230124】