言の葉の舟 四海を行く

家族と自然と人の心を愛する心筆家のブログ詩集

「雪の花」

 

自分の中に

残酷さを見ることがある

 

自分の発想に

疑問を持つことがある

 

今朝のこと

庭に立つ私

 

枯れ木に朝の雪が積もり

まるで花をつけているよう

 

私はそれを見て

雪の花と言葉にした

 

可愛らしくこんもり咲いて

そこに少し春を色づけた

 

と 同時に

 

自然を見ながら

自然を不自然にしてしまった

 

雪は儚く溶けて

水になり茎を伝う

 

冷たい雪は

花にはならず 春の兆しにもなりえない

 

だけど 私の身勝手な見方を

その庭にある全てが受け入れている

 

反論も正しさも間違いも

何一つ否定せず

 

私が咲かせた

雪の花を

 

そこに現状の命のある限り

咲かせてくれる

 

「雪の花 溶けてなくなり 儚くて

  春を待つ夢 咲かせてみせた」

 

 

私の残酷さも憂さも

想像の庭は受け入れてくれている

 

私が立つ庭は

私の見たものを

言葉のちぎり絵のように映してくれた

 

 

 

【20230221】